08年 平和の灯を ヤスクニの闇へ!キャンドル行動報告(1)

2008年9月4日
「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」東アジア反靖国キャンドル共同行動実行委員会

08年 平和の灯を ヤスクニの闇へ!キャンドル行動報告

8月10日、06年に続き2回目の「平和の灯を ヤスクニの闇へ!キャンドル行動」を韓国・台湾・沖縄・日本4地域共同行動として開催しました。

08年キャンドル行動のテーマは「ヤスクニ・戦争・貧困」。このテーマに沿い、8.10は、第1部:トーク、第2部:証言、第3部:コンサート、最後にキャンドル・デモの順に進行しました。

 第1部は、「靖国神社が孕む問題は、A級戦犯合祀問題につきるのか」「若い世代、貧困層がナショナリズムに絡めとられていくことをどう考えるか」等をめぐる、韓明淑(韓国元総理)、中島岳志(北海道大学教員)、安田浩一(ジャーナリスト)、高橋哲哉(東京大学教員)さんのトーク。「ヤスクニ問題は、過去史清算の問題」(韓)、「靖国は“大東亜戦争”肯定論の自己主張を始めた」(中島)、「“地味”で、普通の若者がヤスクニに集まり始めた」(安田)、「護憲運動の側が、赤木智弘さん、彼の『「丸山眞男」をひっぱたきたい 31歳フリーター、希望は、戦争。』という主張を知らない」(高橋)。新自由主義「改革」、戦争国家づくりの進行の下で、不安定雇用・貧困を強いられる若者たちにとって、現実は決して「平和」ではありません。そして彼らの「自己」存在は限りなく希薄化しています。「平和」を虚妄と見、ヤスクニ、ナショナリズムが“拠りどころ”となってしまう現実、そして、それを“許している”運動の側の課題、これをどう克服していくかが問われています。

 第2部では、吉田哲四郎(日本)、金城實(沖縄)、李熙子(韓国)さん、3人の遺族が証言されました。3人の証言を通じて、民間人も植民地出身者も否応なく動員した戦争の実相、遺骨も返さないのに合祀だけして済ます欺瞞、靖国と国の癒着などが明るみに出されました。証言を通じて、靖国の闇が隠す理不尽、不合理の一端に灯が当てられました。

第3部コンサートは、日韓のアーティスト等の共演。韓国からは民衆歌手・孫炳輝さん、「冬のソナタ」などに出演した俳優・権海孝さんがステージに立ち、「イムジン河」などを熱唱しました。日本からは寿が出演、沖縄民謡、「前を向いて歩こう」などを歌いました。最後は、出演者、観客がステージに上がりもう一度「イムジン河」を歌い、コンサートは盛り上がりの中で終わりました。

 そして、最後はキャンドル・デモ。700人ほどの参加者が教育会館から錦華公園までのコースをキャンドル、プラカードを掲げてデモを行いました。沿道では右翼が口汚く罵り、デモ隊への突入を図る者もいましたが、参加者は「合祀を取り消せ」「ノー!ヤスクニ」などのシュプレヒコールをあげ、最後までデモを貫徹し、8.10キャンドル行動を締めくくりました。

 小泉首相(当時)が8.15に靖国神社に参拝した06年ほどの「盛り上がり」は見られなかったものの、08年キャンドル行動は文化、今日の思想状況にも切り込むかたちで内容的にはいっそう深化した企画として取り組むことができました。

 多くの方がたのご支援、ご協力に厚くお礼を申し上げます。