連続講座第1回「『靖国合祀イヤです訴訟』から見えてくるもの」の報告

 4月26日(日)、ヤスクニキャンドル行動実行委員会が主催で「連続講座」の第1回「『靖国合祀イヤです訴訟』から見えてくるもの」を、ピースボートとうきょうを会場に開催しました。

 講座ではまずキャンドル行動実行委員会を代表して事務局次長の李泳采(イ・ヨンチェ)さんがあいさつ。李さんは、2006年の8月キャンドル行動を皮切りとする、これまで実行委で取り組んできた一連の反ヤスクニ行動について解説し、そして来たる8月7日(金)にヤスクニ・シンポジウム、翌8日(土)には三度目となる「コンサート&キャンドル行動」を開催することをアピールしました。

 さらに8月に至るまでの取り組みとして、連続講座とヤスクニをテーマにした映画祭の開催、また8月以後はヤスクニ問題を国際的に訴えるべくドイツでの行動を企画していることを紹介し、講座参加者にもこの一連の取り組みへのご協力とご参加をいただけるよう、訴えました。

 あいさつの後は昨年の「平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル集会&コンサート」のもようのダイジェスト映像を上映。そして「NO!ハプサ」(NO!合祀)訴訟の第10回口頭弁論(4月27日)のために来日し、本講座にもご参加いただいた韓国人原告のひとり、高仁衛(コ・インヒョン)さんにもご発言をいただきました。


(写真は高さん【右】)

 高さんは父上を日本軍に徴兵され、父上は1944年9月に戦病死されたといいます。「戦病死」はおそらく飢えての病死であろうと推察され、その死もまったく知さられなかったとのことです。その上さらに遺族に何の断りもなく靖国神社に“英霊”として合祀されています。「戦争中、父は日本人として兵隊にひっぱられ、韓国解放後も日本人としてヤスクニに祀られている。悔しくて切ない思いでいっぱいだ。しかし日本人のみなさんの協力もあって、ここまでやってこれた。父を母国に連れて帰るまでがんばりたい」と力強く訴えられました。

 講座の後半は、「イヤです訴訟」弁護団の加島宏弁護士による講演を行いました。

 「イヤです訴訟」は、靖国合祀者の遺族らが靖国神社を被告に合祀取り下げ(「霊璽簿」からの故人の名前の削除)を訴えた裁判です。去る2月26日、大阪地裁にて原告側敗訴の不当判決が出されました。加島弁護士は「イヤです訴訟」の、訴訟内容の特徴と審議の間の裁判所の反応について詳細に報告し、続けて、同判決の不当性を解説されました。報告の最後には、これからの裁判を闘っていくうえでの意気込みと今後の課題について触れられました。原告側は3月11日に控訴、5月末までには控訴理由を提出し、7月10日15時~、第1回の高裁審議が201大法廷にて開廷されることが決定しており、加島弁護士は高裁勝利に向けて、現在準備書面を作成中とのことです。

 講演の後は参加者を交えての質疑応答に移り、さまざまな意見交換がなされました。

(事務局)