現地報告、9日:ワシントンDCの空に響いた「No No War Down Down Yasukuni」

 9日、ワシントンDCの空に響いた靖国合祀取消しの声
 日本大使館の前で「No No No War Down Down Down Yasukuni」

 米国での靖国合祀取消しのための国際反対行動の最終日の9日は、ワシントンDCの日本大使館の前で反対の声を上げ、夕方には米国社会での世論化のための在ワシントン韓人団体との協議会が行われた。
朝8時、2台のバンに分乗して韓国からの一団とともに、日本からの一行5名もNYの宿泊地を出発。一路DCの日本領事館に向かった。小雨降るなか、予定時刻の2時を30分以上遅れて到着すると、すでに、大使館前には在ワシントン韓人団体の関係者らと、在米韓国系の新聞2社『韓国日報』と『中央日報』、そしてラジオ局の『キップンソリ放送』が待っていた。さっそく「Say No to War, Say No to Yasukuni Shrine」と書かれたバナーと、高慶日教授の風刺漫画のプラカードをそれぞれ掲げ、「靖国合祀取消し」要求の集会を持った後、イ・ヘハク牧師はじめ3名の代表者が、日本大使館代理に申し出をした。

 韓国委員会の代表であるイ・へハク氏は、「日本は我々を侵略し破壊し殺した、過去の野蛮な行為があった。二度とこういうことのないように答えを出すべきだ。しかし今、教科書の内容の歪曲など、未来に対して不安を作っている。世界の人々に対して苦しみを与えないためにも憲法9条を改悪してはならない。過去の野蛮行為を隠蔽したりするなど再び誤った道を歩もうとしていることに対して糾弾する。靖国に囚われている、台湾、韓国それぞれ二万人以上の魂を一日も早く解放すべきだ。分祀を認めない靖国を糾弾する。われわれは、日本とともに平和な世界を作りたい。そのためにも世界の良心に訴え、日本が誤った道に向かうのを止めなければならない。アジアの平和のために世界の人々とともに、日本の軍国主義化するのを止めよう!」と声をあげた。
内田弁護士と浅野教授もも、靖国に反対する日本人としての立場と決意を語り、韓国系メディアのインタビューも受けた。

 領事館前を後にした一行は、この後、短い合間の時間を使って、DCのアーリントン墓地も訪ね、靖国との違いや同質性をそれぞれに感得してきた。
 夜7時過ぎには、DC郊外にあるKorea-US Science Foundation の建物に移り、在DCの平和統一支援団体や南北共同声明実現のための海外委員会、また元韓国の市民団体の活動家など総勢約30人の在米コリアンの人々との交流会をもった。イ・ヘハク牧師、内田弁護士、イ・ヒジャさん、浅野健一氏、ソ・ウヨン氏により、日本と韓国での靖国反対行動の経過、靖国の歴史に対する説明、遺家族の思いなどの説明があった後、従軍慰安婦問題の米国議会決議案にも積極的に参加した在米コリアンの方たちからの活発な質問が飛んだ。内田弁護士などは、ユーモアを交えながらも、欧米社会でわかり難い、または日本人にとっても矛盾的に見える靖国の問題の本質をわかりやすく説明した。
 今回のワシントンでの行動と協議会は、米国社会でわかり難い靖国問題を在米コリアンの人々にも理解してもらうささやかなでも真摯な場になった。四カ国行動の韓国委員会の事務局長であるソウヨンさんは、今回アメリカでの靖国反対行動は、欧米社会への靖国問題の提起、その問題の国際連帯の可能性などを模索するのにおいて、在米韓国人及び日本人、米国人などとの対話の機会になったとても貴重なイベントであり、ぜひとも機会をあらためその内容を、多くの感心のある各国の方々と共有させたいと述べた。最後に高慶日教授が風刺漫画を紹介し、参加者は靖国問題の本質をイメージ化することに助かったという評価を受けた。
 明日の10日は、韓国委員会は、NYに戻り、風刺漫画の展示会を続け、日本の委員会は引き続き、今後の靖国合祀取消し原告裁判などでの連帯を約束しながら、それぞれの国に帰る。