(日本委員会抗議行動参加報告)高金素梅さんに対する弾圧を中止しろ!!(080110)

 2008年1月9日 台湾原住民に対する弾圧に抗議する集会(東京)

 6日の大阪に引き続き、台湾の高金素梅(チワスアリ)立法委員に対する弾圧に抗議する集会が1月9日、東京の新富区民会館において開かれた。主催は、「高金素梅(チワスアリ)立法委員に対する弾圧に抗議し、台湾原住民の闘いに心を寄せる集い実行委員会」。午後6時半に『出草の歌』の井上監督の撮影した2006年の靖国合祀取り下げの闘いの映像上映で始まった緊急の集いには、約30名が駆けつけた。  

 2002年に原住民枠で初当選した高金素梅(チワスアリ)さんは、この2月12日の選挙が3度目の選挙戦となるが、台湾当局の特偵組(特捜部)は、高金素梅(チワスアリ)さんや原住民の支援者に対して「賄選」(金銭で票を買う行為)を名目に不当な脅迫や捜査を行っている。集会では、『台湾のすべての部落は皆知っています。高金素梅(チワスアリ)が「票を金銭で買う」ことなどしない立法委員であることを』という高金素梅(チワスアリ)さんの記者会見(2007/12/25)での発言なども紹介される。こうした現況をめぐる質疑応答の後、翌日10日の抗議行動と申し入れ書の採択が行われた。最後に、抗議行動に使う横断幕のスローガンの各文字を参加者全員で分担して用紙に書き、明日の行動の準備を行った。

 なお、今年の台湾の選挙関しては、1月8日付けの朝日新聞に載り、また本集会には外事2科の公安が2名も「参加」しようとするなど、ある程度注目されていることを主催者は指摘する。しかし、弾圧に関しては、台湾本国では、この時点ではネット上のみで新聞などでは報道されていないという。

 1月10日、台北駐日経済文化代表処にて抗議申し入れ行動

 10日午後1時半、東京の白金台にある台北駐日経済文化代表処まえには、20名ほどの抗議行動参加者が集まった。すでに代表処前には、職員をはじめ、台湾系の報道関係3社、および公安が待ち構えており、ゲート前には、「関係者以外立ち入り禁止」の表示も置かれていた。参加者は、抗議文の手渡しを追及するとともに、代表処の白い鉄柵前に前日共同で作成した横断幕と大阪から送られてきた横断幕を広げ、抗議行動を開始。

 建物の中に入るには、名刺の提示が求められ、結局、代表者3名が報道関係者とともに抗議文を携え中に入った。陳総統水扁閣下宛の文書を駐日代表に渡るよう中で要請している間、外では参加者たちが、「チワスワリさんがんばれ!立法委員選挙への妨害行動をやめろ!原住民への政治弾圧をやめろ!合祀取り下げの闘いを支持するぞ!」とシュプレヒコールをあげ、合間に原住民の音楽団、飛魚雲豹音楽団の音楽を静かに流した。

 10分もすると代表団が戻り、再度、参加者全体で抗議文の内容を確認した後に、代表団の一人が報道関係者の質問にも答えながら中での申し入れ行動を報告。「口頭で抗議文の要旨を説明したところ、業務部課長補佐のLiu Tuo氏が文書を受け取り、早急に本国に送ると約束した。こうした抗議行動がすぐにどういう効果が出るかは分からないが、一昨年の反靖国の闘いでともに闘ったチワスワリさんに対して連帯とエールを送るものとして行った。」

「こうした行動を通じて、日本と台湾の民衆同士の友好を作っていきたいと思っている。チワスワリさんからの要請ではなく、事実を知り、自主的に行った。あさっての選挙の結果をみてから今後の行動は検討したい。私たちは、一昨年8月の『平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動』でのチワスワリさんたちの『祖先の霊を取り戻す』闘いに、大変共感している。一方で李登輝氏は靖国参拝をしており、歴史認識を巡って台湾でもいろいろ問題があるようだが、わたしたちは植民地支配の問題を克服していきたいとも考えている」と語った。

(『平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動』事務局)