1月22日祐天寺の遺骨の中から101体分の遺骨が韓国へ返還される(080120)

1月22日に祐天寺の遺骨の中から101体分の遺骨が韓国へ返還される、といことが厚生労働省の
ホームページにも出ています。
一般の人々、関係団体、宗教団体、国会議員、それにマスコミすら締め出して密室の中での返還式を
行おうとしています。
 マスコミなどからの情報によると、遺族への場外でのインタビューについてはじめ外務省と厚労省の態度が
ちがっていましたが、結局も禁止ということになったようです。
このことは、犠牲者、遺族、そして正義にとって正しいことなのかが今、厳しく問われています。 

何故、公開でない遺骨返還がいけないのでしょうか。
それは、犠牲者、遺族、全ての人々、正義にとって誤っているというだけでなくそれらにつばするものだからです。
強制連行・強制労働を企画・実施し死に至らしめた責任を第一義的且つ基本的に持つ政府・企業がとるべき
態度につばするものだからです。
また、「言っていることとやっていることが違う」と言われる種を自らつくっているからです。
 
 政府・企業のとるべき態度とは、犠牲者と遺族の声・願いを汲みとり、誠意をもってそれを実行することです。
 犠牲者と遺族の声・願いとはどのようなものでしょうか。それは、「何もいらないから、生きて返せ」です。
 それができない時、責任を有する者がとるべき態度とは遺族の以下の思いを実現することです。
「どうして亡くなったのか、どのようにして亡くなったのか、原因は何か、何故そうした原因が生じたのか、
責任者は誰か、責任者は出て来て謝罪せよ、補償せよ、再び同じことが起きないよう再発防止策を講じよ、
それでなければ犠牲者は死んでも浮かばれない、死を無駄にしないでもらいたい」というものです。
こうした思いは、今、私達の肉親が同じようなことで亡くなったとき私達が抱く思いとまったく同じです。
あの、薬害肝炎で遺族や、被害者が示した思い・願いと同じです。
あの、西日本JR事故で遺族が示した思い・願いと同じです。
つまり、①原因・責任の所在を含む真相究明、 ②責任者による謝罪と補償、 ③再発防止策 を講じよ、ということです。
これら①~③は一体のものであり、真の謝罪、真の反省を誠意をもって行うとはこれらを一体のものとして実行することです。
(例えやむない事情で一時期①~③の実行に時間差が出ても)

 ③の再発防止策を講ずるとは具体的に何をどうすることでしょうか。
それは、ドイツが戦争の反省として取っていることにも現れています。
謝罪すべきこと、反省すべきことの真相をまず国民すべてが知り、再び同じことを起こしてはならないという強い気持ちを
代々受け継ぐことです。
つまり、教育を中心として受け継いでいくことです。
遺骨返還は、
どのような遺骨が、なぜ今、どのようにして返されようとしているのかを皆が知り、再びこうしたことを起こさない気持ちを
新たにする大事なときです。日本政府に誠意があるのか、言行が一致しているのかを皆が見ているときです。
 祐天寺の遺骨返還を秘密裏に行い、また、「日本政府は言っていることとやっていることが違う」と言われることを
増やすことは止めるべきです。韓国政府を巻き込み、相手のせいにして責任逃れをする態度をとるべきではありません。

強制連行・強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム事務局